今回のさすらい姉妹『― ロストノスタルジア ― 螢の残存』は、2011秋公演『公然たる敵 - ロストノスタルジア -』の続編とも言えるし、リメイクとも言えるかもしれません。水族館劇場の過去作品を連想する登場人物たちがパラレルに絡み合って物語は紡がれています。前作よりも台詞が生きて伝わりました。但し、語られる登場人物が欠けていて、ひとりひとりの台詞が深くて強い言葉でありながら、足りないパーツが多いために、本来ならば辿り着くべき物語のカタルシスに近づけないもどかしさも感じました。本公演への"予告編"だとすれば、この物語の完成像を早く観てみたい、と強く思わせられました。
芝居に辻褄合わせの物語が必要とも思わないのですが、せめて粗筋がわかりやすければ、もっと単純に楽しめたのではないか、とも思いました。
秋公演から続いた役柄と台詞のせいか、よく役者に馴染んで演じられていた気がします。その意味でも、さらに物語が作り込まれた本公演に期待が膨らみました。
■ さすらい姉妹寄せ場興業2011→2012
― ロストノスタルジア ― 螢の残存
<http://suizokukangekijou.com/news/2011/12/20112012.html>
12/31 18:00~ 山谷センター前辻
1/1 16:00~ 横浜寿町生活館4F
1/2 14:00~ 新宿中央公園ナイアガラの滝広場
1/2 18:30~ 渋谷東京都児童会館脇美竹公園
1/3 13:00~ 上野公園東京文化会館裏
出演:
千代次[Chiyoji]/鏡野 有栖[Kagamino Alice]
藤島 凾[Fujita Kan]/山本 紗由[Yamamoto Sayu]
上山 薫[Ueyama Kaoru]/増田 千珠[Masuda Chizu]
赫 十牙[Aka Tohga]/風兄 宇内[Fany Unai]
麝香姫[Jakouhime]/臼井 星絢[Usui Seijun]
山谷玉三郎[Sanya Tamasaburo]/七ツ森 左門[Nanatsumori Samon]
作演出: 桃山 邑[Momoyama Yu]
<さすらい社中>
音楽; マディ 山崎[Mady Yamasaki]
照明: 近藤ちはる/渡邊 修一
宣伝美術: 近藤 ちはる
黒衣: 上山 正太郎/杉浦 康博/志保/鈴木 都/DJ.YOU/梅山 いつき
舞台監督: 及部 文人
協力: あうん/山谷争議団/寿日雇労働者組合/寿支援者交流会/新宿連絡会/渋谷のじれん