
これも水族館劇場ファンディングなど多くの皆さまの助けがあって可能になったことです。何度でもお礼をいいます。ほんとうにありがとうございました。長野移動だけでも延べ車輌12台に及んだ大道具の数々。最後のトラックをおくりだし、がらんどうになった萩原倉庫に佇む桃山の胸に去来する思いは三十年を越える活動の流れのなかで過ぎ去った記憶の断片なのかもしれません。六年前の劇団分裂のあと途方にくれたスクラップ軍団を励まし支えてくれた、伊藤裕作、駒田仁志をはじめとする芸濃町のひとびとには感謝の気持ちでいっぱいです。

光陰矢の如し。わたくしたちに残された時間も限りがあります。今回ばらばらになった全国に散在するメンバーの、芝居への情熱をふたたび織り直し、野戰攻城として一座建立をはたすこと。簡単なことでないことは承知しています。秋口以降の「さすらい姉妹」もお祭りなどの中止が決まるなか、なかなか公演決定のお報せができません。しかし、どのような情勢にとりかこまれようと、あきらめず継起しつづけること。水族館劇場は何度目かの再出立を、神の宿る聖なる樹木を抱く諏訪の街から踏み出します。