『えでみる あいうえおさくぶん』(あかね書房)

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ニシワキタダシ『えでみる あいうえおさくぶん』(あかね書房)


えでみる あいうえおさくぶん [ ニシワキタダシ ]

ニヤニヤしながら「これはズルイ、ズルイなあ」と独り言。
何回読んでもジワジワきます。

タテ読みの言葉とヨコにつながる文章。
発想自体はシンプルなのですが、えっ、ちょっとその言葉のチョイスが。。

だって、
〈い〉さおにいさんが
〈と〉ークショーを
〈こ〉とわったらしい
→「いとこ」
ですよ?
いや、誰でもええやんって話です。

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この他にも
〈つ〉るしておくと
〈く〉うふくがみたされ
〈ね〉られる
→「つくね」
ですよ?
いやなんでもええやんって話ですよ。

もう本当に許しがたいほど楽しい。
ああ最高です。

『ゆきがふるまえに』(偕成社)

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かじりみな子(作)
『ゆきがふるまえに』(偕成社)


ゆきがふるまえに [ かじりみな子 ]

先日の「片手袋と絵本」イベントのゲスト、かじりみな子さんが昨年刊行した絵本(デビュー作)です。

山で暮らすうさぎの女の子・ラビッタちゃんは、町へお使いに出かけます。
郵便屋さんや毛糸屋さん、本屋さんで無事に用事を済ませますが、ベンチでついウトウトしてしまい……。

北欧好きな方ならビビッとくるかもしれませんが、実はサーミの衣装や北欧の町をモデルにしているそうです。広場の様子や店内も細かく描かれていて、いつまで眺めていても飽きることがありません。本屋さんに並んでいる本、気になりますね。

ちなみに、この絵本の中にも偶然片手袋が描かれていたのはここだけの話です。
ぜひ探してみてくださいね。

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『HYGGE 北欧が教えてくれた、「ヒュッゲ」な暮らしの秘密』

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シグナ・ヨハンセン(著)
『HYGGE 北欧が教えてくれた、「ヒュッゲ」な暮らしの秘密』(日本文芸社)


HYGGE 北欧が教えてくれた、「ヒュッゲ」な暮らしの秘密 小さなことからはじめる、心地よい時間のつくりかた [ シグナ・ヨハンセン ]


日本でもすっかりお馴染みになった〈HYGGE〉
デンマーク生まれの概念とされ、あえて訳せば「心地良い」「ホッとする」などでしょうか。北欧らしい生き方を表す言葉として、現在各国でブームになっています。

先日ご紹介した『Hygge(ヒュッゲ) 北欧生まれの「世界一幸せなライフスタイル」実践法』(サンマーク出版)など類書も数多く出ています。

その中で本書の珍しい点としては著者がノルウェー出身ということ。
どうやら〈HYGGE〉はデンマークとノルウェーのみに存在する考え方で、他の北欧諸国にはないのだとか。自身の育った環境とあわせて語られるので、私たちからするとやや遠い話に感じてしまいますが、内容は非常にオーソドックス。

特に強調されているのは自然を満喫して心や体を健康に保つことや食の話。北欧料理のレシピも充実しているので、まずは食事から〈HYGGE〉を取り入れてみるのもいいかもしれませんね。

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『ふしぎの国のアリス』(ニジノ絵本屋)

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新入荷のお知らせです。

『ふしぎの国のアリス』

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昭和を代表する少女漫画・叙情画の作家である松本かつぢ。
その繊細なタッチや柔らかな色使いが、没後30年を経た現在も多くのファンに愛されています。

なんと今回、そのかつぢの幻の作品が蘇ったというではありませんか!

絵本のイベントや出版を手がける「ニジノ絵本屋」が、不思議な縁に導かれ、再出版を手がけることに。50年以上前に描かれた原画を忠実に再現、かつぢの絵が改めて世に送り出されました。

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布張りの背表紙、金箔の型押しと、なんとも贅沢な作り。
ファンならずとも手元に置いて何度でも読み返したい美しい1冊です。
眺めているだけでため息が出そうです。。


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『ふしぎの国のアリス』
出版社:ニジノ絵本屋
ISBN:978-4908683091
サイズ:200mm ×270 mm
頁数:32P
仕様:バイリンガル[日本語/英語]
定価:本体2,800円(+税)

http://hiruneko.thebase.in/items/9058672


さらにニジノ絵本屋さんといえば、はらぺこめがねさんのこちらの3冊も再入荷!
在庫僅少のところ無理を言って送っていただいたので、どうぞお早めに♪

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http://hiruneko.thebase.in/items/9058727

ノルウェー発の絵本2点『穴』『パンやのブラウンさん』

東京・谷中の本屋ひるねこBOOKSです。

ノルウェーの素敵な絵本が2点、入荷しています。

『穴』(ワールドライブラリー)
作 ・絵/ オイヴィン・トールシェーテル
訳 / ひだに れいこ

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引っ越しをしてきた主人公は、新居の壁に穴を見つけます。
壁の反対側にまわってみますが、なんとそこに開いていたはずの穴がありません。
おかしいな…と戻ろうとすると、床に移動していた穴につまづいてしまいます。

そう、この穴はなんと動くのです!
なんとかして穴をダンボールの中に閉じ込めた主人公は、それをそのまま研究所へ運びます……。

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ページの真ん中に貫通した穴。
その場所は変わらないのに、ページをめくると穴が次々に移動しているような不思議な感覚に陥ります。
壁に開いた文字通りの「穴」でもあれば、車のタイヤだったり、時には風船だったり。。
まさに自由奔放、変幻自在。

穴のたどり着く先が気になって仕方がありません。

最低限の言葉だけで構成されているので、どんどん想像が膨らみます。
まるで、穴と一緒に旅をしているかのよう!

これはもう、最高に楽しくてエキサイティングな絵本です!



そしてもう1点は、デザインユニットによる独創的でセンス抜群な絵本。

『パンやのブラウンさん』(ワールドライブラリー)
作/ ヨーコランド
訳/ ひだに れいこ

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パンやのブラウンさんは、大きくて茶色いものがすき。
見たことないほど大きなパンが焼けるよう、とても大きな石がまをつくることにしました。
町じゅうのどの家よりも高い煙突のついた石がまです。

でも、大きなパンとお菓子をいっぱい焼きすぎて、茶色がなくなってしまいました。
町中から茶色が失われて、みんなが困ってしまいます。
さて、ブラウンさんは、いったいどうするのでしょう?

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茶色、白、黒、灰色だけで構成されたシンプルな画面。
それだけにキャラクターやパン、道具などの形の可愛らしさが際立ちます。

芳ばしい匂いが漂ってきそうです。


一般書店やネット書店では取り扱いが少ないですが、
どちらもクリスマスの贈り物にオススメです♪


・『穴』http://hiruneko.thebase.in/items/9034251

・『パンやのブラウンさん』http://hiruneko.thebase.in/items/9034324

『おさかなどろぼう』『これから猫を飼う人に伝えたい10のこと』

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11月22日です。
「いいにゃんにゃんの日」です。
というわけで、新入荷です。


●いしいひろし『おさかなどろぼう』(PHP研究所)


おさかなどろぼう (PHPわたしのえほん) [ いしいひろし ]

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お腹が空いたトラは市場へ出かけます。でも遠くから双眼鏡で何やら物色している様子。
そう、トラはおさかなどろぼうだったのです!

美味しそうな魚を持ったクマの後をつけて、あの手この手でこっそり頂戴しようと企みますが……。変装姿がチャーミングです。

こそこそ食べるより、誰かと一緒に食べた方が美味しい。
お腹も心もいっぱいになる絵本。


『これから猫を飼う人に伝えたい10のこと』

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猫歌人&エッセイストである仁尾智さんが綴るエッセイと短歌。
猫を飼うにあたっての心構え、アドバイスなどが詰まっています。

小泉さよさんの描くイラストも素敵です。
猫との暮らしは本当に愛おしいものですが、だからこそ知っておきたいこと、ありますよね。

ノウハウや教訓めいたことではなく、あくまで猫との生活を自然に語っているので、
読んでいても思わず「うんうん」と頷いてしまうことばかり。
猫に限らず、動物と一緒に暮らしたいと考えている人にはぜひ手にとっていただきたいです。

『マッティ、旅に出る。やっぱり今日も憂鬱』

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マッティファンの皆さま、お待たせしました!
第2弾の『マッティ、旅に出る。やっぱり今日も憂鬱』本日入荷しましたよ!

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静けさと、平穏と、パーソナルスペースを何よりも大切にする、典型的なフィンランド人・マッティ。
描かれる日常の憂鬱な出来事や感情は「わかるわかる」とフィンランドで大人気に。
シャイで内気な性格は日本人と似ているようで、前巻は日本国内でも評判となりました。

今回マッティは日常を離れ、バケーションに出かけます。
でもやっぱりそこには憂鬱が待ち受けていて。。

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飛行機の中でのシチュエーションなど、まるで自分のことのように「あるある」と感じられることばかり。ひっそりとしていたいだけなのに、それを守るのはなかなか難しいようです。

それにも関わらず、今回の表紙では少しだけ笑顔が見られます。
これは一体なぜ……?どうやらそこに今回の本の肝がありそうです。


11/26(日)の刊行記念イベント、キャンセルのため1席ご用意できます。
ご興味ある方はぜひお早めに!


*限定でオリジナル活版印刷コースターが付きます。

☆ご購入はこちらからどうぞ!
http://hiruneko.thebase.in/items/9014189

『貨物船のはなし』(福音館書店)

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柳原良平 『貨物船のはなし』(福音館書店)


貨物船のはなし (たくさんのふしぎ傑作集) [ 柳原良平 ]

“船便”という響きには独特の魅力があります。
大海原の上を何日何十日とかけて届く荷物に、ロマンを感じるからかもしれません。

紅茶や穀物、車……。
積まれるモノには人間の歴史が詰まっています。

各国で実際に使われた貨物船や客船についての解説。
シンプルで鮮やかな画面を食い入るように見つめてしまいます。
描いたのは「アンクルトリス」でおなじみの柳原良平。
船好きで知られる著者の、思いが詰まった1冊です。

世界中から瞬時に情報が届く時代でも、荷を運ぶ手の存在は変わりません。
今日もまたどこかの海を、夢を乗せた船がすべってゆきます。

『日本のZINEについて知ってることすべて』(誠文堂新光社)

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ばるぼら、野中モモ‎  編・著
『日本のZINEについて知ってることすべて  同人誌、ミニコミ、リトルプレス―自主制作出版史1960~2010年代』



日本のZINEについて知ってることすべて 同人誌、ミニコミ、リトルプレスー自主制作出版史1960〜2010年代 [ ばるぼら ]


ZINEとは何か。
それを一言で表すのはなかなか難しいかもしれません。

同人誌、ミニコミ、リトルプレス……様々な名前で呼ばれてきた、自主制作の冊子や雑誌。
それらを総称してZINEと呼ぶのが、ここ数年の傾向のようです。

アート、音楽、写真、漫画。
おカタイ文芸から、アダルトな読み物まで。
単なる個人の記録もあれば、企業が戦略を重ねたPR誌もあります。

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本書は、これまで国内で制作されてきたこれらのZINEを総括するという初の試み。
この世界に造詣の深い方々による、なんとも贅沢なZINEの考察です。
年代やジャンル・テーマごとに分類された作品の数々は、まさに圧巻の一言。
貴重なインタビューや資料、年表なども付されていて、日本におけるZINE史の決定版と言えます。

作り手の数だけZINEが生まれ、読み手の数だけその世界が広まり、深まってゆく。

何千何万と流通する一般の書籍と比べれば、その範囲には限りがあるかもしれません。
しかし、いえだからこそ、そこからは作り手の熱量がダイレクトに伝わってきます。
ただひたすら好きなものを表現したい、誰かに届けたい。自分のことを知ってほしい。
製作の動機は様々でも、そこには経済性やマーケティングなどひとっ飛びに飛び越えるだけの確かな力が存在します。


誰もが発信者であり、表現者である今。
ZINEの世界はますます伸びやかに広がってゆくでしょう。
新たな表現に挑んでいきたいと考えている方はもちろん、広く出版に関わる方にはぜひ手にとっていただきたい1冊です。


☆webショップはこちら
http://hiruneko.thebase.in/items/8951142


『ほしをさがしに』(講談社)

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楽しみにしていた絵本が届きました。

しもかわら ゆみ・作
『ほしをさがしに』(講談社)


ほしをさがしに (講談社の創作絵本) [ しもかわら ゆみ ]


冬の夜、ねずみは流れ星を見つけます。

「ながれぼしは ねがいを かなえてくれるんだよ」
そう教えてくれたのは、もぐらでした。
ふたりでいつも遊ぶくらい仲良しだったのに、
雪が降ってからはずっと会っていません。

「おちてきた ほしを みつけて ねがいを かなえてもらおう」

次の朝、外に出てみると、雪の上には見たことのない足あとが。
「きっと ながれぼしだ。」

その足あとを辿ってゆくと、りすやうさぎ、きつねやたぬきに出会います。
みんな流れ星の行方に興味津々。
追いかけた先で出会ったのは……。


「第7回KFS絵本グランプリ」受賞作品、待望の復刊です。

しもかわらさんの描く動物の、暖かな優しさ。
その繊細な毛並みから、驚くほどの質感が伝わってきます。
そしてその瞳に宿る光は、こちらを惹きつけて止みません。


以前、銀座での展示の際にご挨拶したのですが、
当店でも何か企画したいと思っています。
どうぞお楽しみに。

『2ひきのねこ』

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『2ひきのねこ』(ブロンズ新社)


2ひきのねこ [ 宇野亞喜良 ]


入荷のダンボール箱を開くとすぐにページをめくってそのまま読み始め、
そしてもう、こみ上げるものを抑え切れませんでした。今もまだ震えています。


ぼくと ももちゃんは いつも いっしょ。

のびをして、昼寝して。歌う。手を繋いで走る。
3時に時計がボーンボーンと鳴ると、
ももちゃんは、ぼくの名前を呼ぶ。
「あっ ボンボン!」

ももちゃんもぼくも、木の上が好き。

きのうえは ふたりのふね。
ふたりで どこへだって いける。

こんな幸せな日々が、ずっとずっと続くと思ってた。
でもある時……。

「かみさま どうか ぼくから ももちゃんを とりあげないでください」


もう、もう、胸がいっぱいです。
宇野亞喜良さんの絵が、あらゆる感情を揺さぶり、離しません。

http://hiruneko.thebase.in/items/8922981

『なぞなぞアンデルセン』(偕成社)

東京・谷中の本屋ひるねこBOOKSです。

なぞなぞ・石津ちひろ 絵・南塚直子
『なぞなぞアンデルセン』(偕成社)


なぞなぞアンデルセン (なぞなぞえほん) [ 石津ちひろ ]

「おやゆびひめ」「にんぎょひめ」「はだかのおうさま」など、
誰もが知っているアンデルセンの名作がなぞなぞになりました。

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「みにくいアヒルのこ」

せなかを くるんと まるめたり
のどを ごろごろ ならせることを
アヒルの こに じまんしてばかり
さて いったい だあれ?

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「マッチうりのしょうじょ」

おんなのこが おかあさんから
もらった たいせつなもの
だけど あまりに おおきくて
すぽんと ぬげて なくしてしまった
さて いったい なあに?

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いかがでしょうか?
これらはまだ簡単な方なのですが、中には「そんなのわかりません!」と降参したくなるものも。

「ちいさいイーダのはな」の中で、〈パーティでピアノを見事に奏でる素敵な香りの誰かさん〉、わかりますか?
でも、安心してください。実は絵の中に答えが隠されているんです。


有名作品が多いとはいえ、意外と内容は細かく憶えていないもの。
ここに出てくる50個のなぞなぞに答えていけば、改めてアンデルセンの作品に出会い直すことができそうです。

もちろんアンデルセン通の方は、絵を見ずに答えてみるのも楽しいかもしれません。

でも南塚直子さんのイラストは、アンデルセンの世界にぴったり。
答え合わせが終わった後は、ぜひじっくりその絵を眺めてみてくださいね。


ちなみに上の2つの答えは「ねこ」「くつ」でした。

池田浩明・編『パンソロジー パンをめぐるはなし』(平凡社)

東京・谷中の本屋ひるねこBOOKSです。

パンって、無性に食べたくなる時がありますよね。
日頃、あまり小麦を食べ過ぎないよう気をつけてはいるのですが、ついつい。
谷根千には美味しいパン屋さんが多いので誘惑に負けてしまうのです。。

パン好きさんにオススメなのがこちらです。

池田浩明・編『パンソロジー パンをめぐるはなし』(平凡社)


パンソロジー パンをめぐるはなし [ 池田 浩明 ]

小説、エッセイ、絵本や児童文学。
古今東西の様々な文章から、パンにまつわる名文を選りすぐったのがこちら。

正岡子規や夏目漱石から、ウディ・アレン、ルイス・キャロル、川上弘美、辺見庸など、とにかくその顔ぶれの幅広さ。今も昔も世界中でいかにパンが愛され、モチーフとされているのかがよくわかります。

そしてその国・時代におけるパンの立ち位置のようなものも感じられます。
「パンの耳」というタイトルがついた文章は、ズバリ「パンの耳をどうするか」問題。
大抵の人が「耳がなかったらいいのにな」と思っていた時代があったなんて信じられません!耳が、耳が好きなのに!(すみません、興奮しました)
築地の喫茶店では「耳ありにジャムね」「耳二つ落としバターね」「耳三つ落としダブルバターね」とお客さんが注文していたのだとか。三つ落としって。。
〈一片だけはどうしてもふり払うことができなかった男の悲しみと愛情〉

本書の特徴は、著者名や作品名が文章の最後に置かれていること(もちろん目次には書いてあります)。
ですので、パッと開いて気になったタイトルのところから読み始めると、これが一体どの時代のなんという作家が書いた文章なのかが判然とせず、奇妙なトリップ感に浸ることができます。読んだことのある文章に出くわした時の驚き、これはあの作者かなという推理が当たった時の喜び。様々な読み方・楽しみ方ができる1冊です。


編者の池田さんは、パンの研究所「パンラボ」主宰。
まさにパン好きの、パン好きによる、パン好きのためのアンソロジー。

パンと同じように、柔らかい文から硬い文、甘い話から涙混じりのしょっぱい話までしっかり噛み締めて味わいたい。

ウニを添えるだとか、ピーナツバターにトマトを載せるだとか、じゃがいものサラダのサンドだとか。
う〜ん、もうたまりません!

まんまと罠にはまって、今から明日のパンのことを考えています。

『北欧おみやげ手帖 12年間の「これ、買ってよかった」』(主婦の友社)

東京・谷中の本屋ひるねこBOOKSです。

お待たせしました!
本日発売です!!

森百合子『北欧おみやげ手帖 12年間の「これ、買ってよかった」』(主婦の友社)

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北欧に関する情報を日々発信している、〈北欧BOOK〉代表の森百合子さん。
ガイドブックやカフェ紹介、北欧流のおもてなしなど、これまでも数多くの北欧本を刊行されていますが、今回のテーマはズバリ「おみやげ」。

フィンランド、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー。
森さんが12年間の北欧旅で集めたおみやげたちを紹介する、まさに北欧ファン必携の手帖です。

☆自分のための、憧れみやげ
☆街を歩いてみつけた物
☆食いしん坊に捧ぐ
☆ビンテージの魅力

の4章構成で、それぞれに印象的なおみやげたちが紹介されているのですが、
まず最初の「アールトの花器」を見た瞬間、すぐさまこの本の虜になりました。
その美しい佇まいは形容のしようが無いほど。
確かなモノを見抜く森さんの目と抜群のセンス、そして北欧らしい暮らしがここに象徴されているように感じます。

マリメッコやリサ・ラーソンの置物などお馴染みのブランド・デザイナーのアイテムはもちろんですが、蚤の市で手に入れた可愛らしい缶や雑誌、さらにマッチ箱や切手、スナックや調味料なども。
12年間通い続けている彼女だからこそ紹介できる品々が並びます。

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この本が魅力的なのは、それらの品々をカタログ的に掲載するのではなく、
全て森さんの暮らしの中でどう生かされているのか、という視点で書かれているからです。
時にクスッとさせられる軽やかなエッセイは、憧れの北欧ライフスタイルを身近に感じさせてくれ、自分の生活にも取り入れたいという気持ちを駆り立てます。

一度に揃えるのは難しくても、何か1点“お気に入り”が部屋にあると、
それだけで暮らしが華やぎ、ちょっぴり豊かな気分を味わうことができます。
食器やかご、カードや小物。些細なことでも、やっぱり家で過ごす時間は特別です。
次に北欧を訪れる際には、その“お気に入り”を見つけたい。早くもそんな思いが溢れて止まりません。

ぜひこの本を片手に、素敵なおみやげに出会う旅へ出かけましょう。
今すぐ北欧に行く予定がなくても、「いつかこれを使いたい」「この部屋に飾りたい」
と思って眺めるだけでも充分に楽しめます。
その思いさえあれば、おみやげ探しの旅はもうそこからスタート。

自分だけの「おみやげ手帖」、作ってみたいですね。

☆WEBショップ⇨
http://hiruneko.thebase.in/items/8175840

『エミリ・ディキンスン家のネズミ』(みすず書房)

東京・谷中の本屋ひるねこBOOKSです。

『エミリ・ディキンスン家のネズミ』(みすず書房)
エリザベス・スパイアーズ 著 クレア・A・ニヴォラ 絵
長田 弘 訳


エミリ・ディキンスン家のネズミ  新装版 [ エリザベス・スパイアーズ ]


ある日始まった、エミリと白ねずみエマラインとの密やかな文通。
小さな隣人の目を通して見ると、偉大な詩人の人間味が感じられます。


私は誰でもない!――あなたは誰?
あなたもーー誰でもないーーのね?
二人は、おなじね!でも話しかけないで!
きっと追い出されるからーーわかってるでしょ?

(エミリ)

二人が紡ぐ言葉には、ユーモア、懊悩、希望など様々に。
長田弘さんの素晴らしい訳。
そしてエマラインがなんとも愛らしい。


重要なのは、わたしたちが考え、
わたしたちがペンで記すことばです。
重要なのは、わたしたちが感じ、
わたしたちが秘密にする感情です。
私がペンで記すのは、
わたしの頭のなかで渦巻くことばです。
それが詩?そうだったら詩は
心楽しい苦悩です!

(エマライン)

〈そこまで書いて、思わずやったと思いました。我ながらうっとりしたのは「心楽しい苦悩」という言いまわしです。どういう意味か、ちゃんとわかってもいなかったのに。このわたしが詩人だったなんて!〉


アメリカを代表する詩人エミリ・ディキンスンの姿を描いた小説であるとともに、詩人として目覚めていく小さなネズミの物語でもあります。
絵も言葉も美しく、何度も手にとって開いてしまいます。
ずっと手元に置いておきたい一冊。

『猫的な、あまりに猫的な 人間たちの心を猫にする“哲学猫”120の言葉』

東京・谷中の本屋ひるねこBOOKSです。

白取 春彦・著
『猫的な、あまりに猫的な 人間たちの心を猫にする“哲学猫"120の言葉』
(ディスカヴァー・トゥエンティワン)


猫的な、あまりに猫的な [ 白取 春彦 ]

哲学する猫ニャーチェ

1880年頃の生まれと推測されているが定かではない。
生まれた地についても不詳だが、ベルリン自由大学の東アジア文化研究施設として使用されている貴族の別荘に住んでいたとされる。

氏は古典文献学研究において、古代ラテン語、ギリシア語、ヘブライ語、中世ドイツ語などを修得したという。
また同時に高地ドイツ語で短篇小説を数篇書き、教授からの単行本化の薦めがあったが、断ったそうだ。

そんな氏が残した膨大な原稿の中から選りすぐった箴言と警句。
最高の眠り、デレツンの勧め、真の快楽……。
私たちに必要な言葉が散りばめられている。

生きていくのにどうしても必要なものは、ごはんと愛撫。
あとのことはだいたい付け足しとか飾り。


読み終わえた私たちは、生涯にわたって氏の言葉を忘れることはないだろう。
例えばこんな具合だ。

「ごはんをくれるひとはすてきだ」